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真面目と不真面目を兼ね備えた凡人

ティッシュ配りの面接に行ったら危険ドラッグをやらされたっていうクソみたいな話 その2

更新久々だけど続きです↓

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私が書きたいのは危険ドラッグのリアルな体験話だ。

 

といっても、危険ドラッグを含め違法薬物についてはそれこそ身の毛もよだつ様な恐怖体験がネット上には溢れている。私は中学生のとき学校で観た違法薬物についての教育ビデオで身体中に虫が這い回る幻覚(バッドトリップの再現)シーンを見てから数日間は夜眠るのが怖かった。虫嫌いにしてみればあの映像はトラウマものである。

しかし、それらの体験談はあまりにも怖すぎて現実的ではなく、どこか他人事のように感じてしまうのもまた事実だ。

 

私が書きたいのはそういうものではない。もっとリアルかつ誰にでも想像できる恐怖である。

 

誰もが感じたことのある身近な恐怖体験とはなにか。

 

そう、出先で突然襲われる激しい便意である。

家の中ならさほど問題ではない。一般的な家であれば数秒で到達できる距離にトイレが設置されているはずだ。最悪の事態として間に合わなかったとしてもメンタルは相当削られるだろうが人としての尊厳は辛うじて保てる(はず)。

 

では、出先ではどうか。

 

学校や会社、どこかの店内などトイレがある場所ならまだいい。急げば間に合う可能性が高いからだ。例えばホームで電車を待っている時に突然激しい便意に襲われたとする。しかし、電車はもうすぐ来てしまう。トイレに行けば間違いなく乗れないし、次の電車では確実に遅刻してしまう。だがこの便意は一駅たりとも我慢出来そうにない。そんな状況に直面した場合、どんな精神状態及び身体状態なるのか考えるだけでも恐ろしい。便VS肛門。BEN対KOUMON。ベンという名の黒船的な外国人と水戸黄門の歴史的戦いが始まりそうな予感さえする。

 

ここまで読んで、こいつ何の話してるんだ?危険ドラッグの話じゃなかったのか?と思った人もいるだろう。私もです。

 

話を戻そう。

激しい便意というのは時に並の精神力及び肛門の筋力では制御できないものである。数々の薬を試しては敗北の涙を流した戦士もいるだろう。薬に一切頼らず、その強靭な精神力と筋力(肛門)でいくつもの修羅場を乗り越えて来た猛者もいるだろう。そのどちらでもなく、時には薬に頼りながら大きな失敗もせずにここまで生きてこれた人も多いだろう。

だが、ここで一つ想像して欲しい。

 

堪え難い激しい便意と戦っている最中、更なる別の負の感覚が押し寄せて来たとしたら…?

 

これは私が20歳の時、初めて危険ドラッグを使用した時のリアルな体験記である。

 

 

 

「これ吸ったら帰ってもいいよ」

 

普通の精神状態であれば断れていたのかもしれない。しかし、その時の相当私は追い詰められていた。

池袋のとあるマンションの一室。入れ替わり立ち替わり脇を通り過ぎていく女の子達。目の前には危険ドラッグ(当時合法ハーブ)を吸う男。玄関までは7mくらいだろうか。大股で7歩程度の距離をここまで遠く感じたのは初めてかもしれない。

とにかく、このままここにいては色々と危ない。「NOと言えない日本人」代表としてどこへ出しても恥ずかしくないようなこの私がこのまま長く居座れば間違いなく丸め込まれてしまうだろう。30分後には泣きながら初出勤の準備をしているかもしれない。いや、風俗ならその前に講習だろうか。デリヘルの講習って何するんだ?というかこの人から講習受けるのか?仕事中に思いっきりキメちゃってるけど大丈夫?仲良くキメた後に講習とかいう雰囲気なれるのだろうか。お客さんに「今日初出勤のはむこです!緊張をほぐすために軽くキメてきました!よろしくお願いします♡」と言えばチェンジしてくれるかもしれない。そうしたらすぐに帰れるかも…?

 

いけない、常に最悪の状況を考えてしまう癖で脳が勝手に風俗で働くことをイメージし始めている。というか軽く脳内シュミレーションしてる。なんなら「ブレスケア持ってたっけな…」とか自分の口臭ケアの心配をし始めている。

このままここにいては色々取り返しがつかなくなりそうなので一刻も早く立ち去らなくては。

 

そもそもそんな怪しい面接に行く奴が悪い、なんて思うかもしれないんですけど、全くもってその通りなんですけどね。でもほら、それ言っちゃうとさ、そもそも専門学校出させてもらってニートかよこの親不孝者め!とかさ、日払いで簡単に金貰えると思うなよこのクソ甘ニートが!とかさ、そういう話になってきちゃうんで。その辺はスルーしてもらっていいですかね。

 

で、その親不孝者クソ甘ニートがどうなったかというと、結局吸いました。サクッとね。

 

吸ったふりなんて無粋な真似は勿論しません。というか出来ない。そんな余裕はなかった。ただただ真面目に、教えてもらった通りになるべくゆっくり深く吸い込んで、軽く留めて、ゆったりと煙を吐き出しましたよ。タバコも吸ったことないのにね。飛び級で脱法ハーブ。これがまた咽せることもなく案外平気なのよ。2人で交互に吸ってたんですけどね、特に効いてる感じもないし、いや、正確にいうと相手の男性は割と目元あたりが怪しくはなってきてはいるんだけどね、私の方は特にこれといった変化は感じられなかった訳です。

んで、どのくらい吸ってたのかは忘れたけど角が立たないレベルでの最短で引き上げたと思います。このくらい吸えば引き止められないだろうっていう絶妙なタイミングで「そろそろ時間があれなんで…すみません、ありがとうございました」っつって退散しました。男性はというと、もういい感じにってかヤバい感じにキマってらっしゃって、なんかこう、他人のことなんてどうでもいいというか、とにかくいい気分になれたんでしょうね。にっこり笑顔の無言で送り出してくれましたよ。それはそれで怖いわ。

 

そそくさと玄関を出て一安心。あー怖かった。やっと帰れる、帰れるぞ!!!って幸せを噛みしめる間も無く突然変化は訪れました。

 

なんか歪んでる!壁が動いてる?!

 

玄関からマンションのエレベーターまでは10mもなかったはずなのに、エレベーター前に着く頃にはボタンを押すのに手こずるくらい視界が大きく歪み、動き、回転していた。地面を足に貼り付けられた状態で地面ごと360度ゆっくりと回転させられているような感じで、壁につかまって立っているのがやっとの状態になった。これが、薬の効果なのか。

 

後から聞いたのだが緊張状態にあるとキマりにくかったりもするらしい。確かに吸っている最中はかなりの緊張状態だったし、それならば症状が出たのが「やっと帰れる」と安心した後すぐというのも頷ける。怪しいハーブっつっても案外吸えるもんだな、なんて油断していた10分前の自分に伝えたい。「(悪いこと言わないから吸ったふりしとけ…)」

 

ぐにゃりぐにゃりと視界が歪むなかなんとか駅へと歩みを進めていると、急激に口が乾き始めた。喉が渇く、口が乾燥する、なんて生半可なものではない。超強力な業務用布団乾燥機を「強」設定で口にぶち込まれているような、業務用掃除機を口にぶち込まれて「パワー」モードで吸引されているような、とにかくもう、今まで経験したことがないような、この乾燥のスピードは音を超えて光と並ぶんじゃないかってくらいの、私の語彙力では到底表現出来ないレベルのなにかだった。

 

ふらつく身体でなんとか自動販売機へ辿り着き、記憶は曖昧だが水か何かしらの飲み物を買って慌てて口を潤す。

が、もはやこの異常な速さの口内乾燥は誰にも何にも止められない。水を口に含んでもなお乾燥し続けるという状況に絶望した。口の周りビッチャビチャにしながら絶望した。

そしてそれは口内だけに留まらず、遂には唇まで侵略した。そうなると私の唇は乾燥やカサカサという域を通り越して石化し、水をかけないとものの5秒ほどで口を開くことが出来ないほどになっていたのだ。

支えなしではまともに歩けない程の回転性めまいに加えて異常なまでの激しい口の渇きというどうしようもない状況に戸惑いながら、私はなんとか池袋駅まで到着した。その間、ふらふらと壁伝いに歩きながら口に水を含みつつ唇にも水をかけ続けていたので他の人から見たら異様な光景だったと思う。

まあその辺は池袋っていう土地柄でカバーされるだろう。いくら私が口の周りビチャビチャにしながらふらふら歩いてたってさ、そのくらいのやつなんてその辺にゴロゴロいるでしょ池袋?っていう偏見のおかげでなんとか今日まで生きてこられましたありがとう池袋。

 

どうにか駅前まできて低めの花壇?みたいなとこになんとか腰を下ろした絶賛バットトリップ中の20歳女。いや、身体的変化だけだからバットトリップとは言わないのか?一応意識ははっきりしていた気がするけどなんせキメてるので記憶あやふや。

 

で、ここからどうするか。

 

電車に乗って家に帰る?

いやいや、この状態で1時間近く電車に乗るとか絶対無理。ここでうずくまってるだけでもおかしくなりそうだ(実際にはなってる)し一歩も歩けない。寝たい。このまま地面に倒れこんでそのまま地面と同化して平らになって夜空を見上げて眠りにつきたい。あ、でも踏まれる性癖はないからやっぱ人間でいたいです私。

 

じゃあシラフに戻るまで待機する?

無理無理無理無理やっぱ吐きそうだしなんかトイレ行きたくなってきたし皆が私を見ている気がするしとにかく穴があったら入りたいっていうかもう穴じゃなくてもいいから地中に潜って静かに暮らしたい眠りたい吐きそう。

 

まともに機能しない頭で懸命に考えた結果、池袋から車で10分くらいの場所に住んでいる付き合ってまだ1ヶ月位の16歳年上の社会人男性に頼ることにしました。

 

付き合って1ヶ月ってさ、なんか一番いい時期っていうか、お互いまだ知らないところとか恥ずかしくて見せられないとことかあったりして、それでもやっぱりお互いのこともっと知りたくて、あなたのこともっと知りたいし私のことももっと知ってほしい♡みたいなクソ甘な時期ですよね。手繋いで歩くことにも幸せ感じちゃうようなさ、昨日の帰り際のキス思い出して家で一人でニヤついちゃったりするようなさ、そういう時期でしょ?

そんな、まだお互いのことそこまで知らないが故の甘ったるい浮かれポンチな時期に突然見せる新たな自分。

 

私…初めてなんだ、ハーブキメるの…。照

 

口周りビチャビチャで目の焦点定まってないけどこんな私も愛してくれますか?っつってラブロマンスに持ち込めればいいけど相当ハードル高いよね。私がもし相手だったら「あーなんかヤバいやつに手出しちゃったな、面倒なことに巻き込まれる前に切っとこ」っつってセイグッバイですけどね。

そうなることも覚悟の上でっつーかそうなるだろうけど家に帰るのも無理だしこのままここに居るのも無理だろってことで消去法かつダメ元で電話したわけですが。さすが16歳年上、当時36歳。酸いも甘いもそこそこ経験してきたであろうアラフォー男性は事態を察して「とにかくタクシーでおいで」って受け入れてくれました。

なんて器のデカイ男なんだ。なんて懐の深い男なんだ。なんて包容力のある男なんだ…!!!こんな素晴らしい男性は他にいないよ!もうあなたしか見えない!!ってなるよね。その1ヶ月後くらいには別れてたけどね。人生って不思議。

 

兎にも角にも、とりあえずフラフラでタクシーに乗り込みなんとか池袋から脱出出来たところで今日は締めます。

このラブロマンスの行方は、そしてここから始まる本当の地獄とは?冒頭で散々連呼した『便意』とは…?

次回最終回。近日公開予定です。

 

つってもこれ私の友人くらいしか読んでないだろうから誰得な話なんだけどね。友人へ自分の過去の過ちという恥ずかしい部分を自ら曝け出してるってどんなプレイなの?ドMなの?そうです、ドMです。おやすみなさい。